Appleの壮大な釣りを経て発表されたiTunesでのビートルズ取扱い。係争とかいろんな経緯があったからこそああいう表現だったんだろうけど、そういうのとは関係ないところで僕はこの発表を歓迎している。やっぱりビートルズを尊敬しているから。
昔々・・・
僕自身、学生の頃、バンドをやっていた。下手っぴなくせにプロになりたいとか言って、ギター担当の友人と夜な夜なオリジナル曲を作るのが楽しくてたまらなかった。
あくまでも素人なんだけれども、アレンジにこだわるのが楽しかった。「聞いてて飽きない展開を作る」「ここまでくると飽きてくるから、ここで展開を変える」とか。
当時の流行曲の構成を次々に分解してパターン化して分析したりもした。A-B-サビ-A-B-サビ-C-サビみたいな超ベタベタな展開に始まり、A-B-A-B-Aみたいな少し変わった展開とか。他にもどこで転調してどういう風にもとの調に戻ってくるかとか、ギターが左右で何本重ねて録音されているか、などなど。理系だったからか、そういう分析がふたりとも大好きだった。
ビートルズが時代を超える理由
ある程度自分たちの中に引出しが出来た頃に、久しぶりにビートルズの曲を聞く機会があった。録音状態が決して良くない初期の楽曲からいろいろ聞いた。そのうち、ふたりはふと顔を合わせた。
なにこれ、全部ビートルズがやってるやんか。
そう、それまで色々分析してきた中で面白いと思ったアレンジはすでにビートルズがやりつくしていたのだ。僕は決してリアルタイムでビートルズを聴いた世代ではない。でも、そのとき自分たちが聞いていた最新の楽曲のアレンジで使われているアイディアの多くは、ビートルズがすでにやっていた。ビートルズって何者なんだよ。そう思った。
オブラディオブラダでベースをダブリングしたり、イエローサブマリン他でボーカルの定位が真ん中じゃなかったり。当時顔を見合わせた曲はなんだったか思い出せないのが悔しいところ。
今回の発表でまたビートルズを聴くきっかけが出来たかな。